SHIMA SEIKI 島精機製作所

秋田ホーセ様

多品種小ロットのデニムづくりを支える
P-CAM® Rによる裁断改革

秋田ホーセ株式会社

1973年に設立された秋田ホーセ株式会社様は、EDWINグループの国内生産を担う縫製工場です。2024年10月、3棟に分散していた生産設備を一つの建屋に集約し、「EDWIN BASE」としてリニューアルしました。「BASE」という名称には、デニムのモノづくりを支え、新たな取り組みを発信する“基地”としての想いが込められています。その柔軟なモノづくりの起点となる裁断工程を支えているのが、SHIMA SEIKIの自動裁断機P-CAM® Rです。

量産工場から高付加価値商品の生産拠点へ

秋田ホーセ株式会社の伊藤氏

秋田ホーセ様は、かつて約100名で日産約3,000本のジーンズを生産する量産工場でした。工場長の伊藤氏は、現在では多品種小ロットで手の込んだ商品を小回りよく生産する工場へと変化したと語ります。約3年前からジーンズ中心の生産体制を徐々にジャケットなどのトップスへ移行し、現在の「EDWIN BASE」では、ほぼ全量がアウター製品となっています。EDWINに加え、Lee、Wrangler、SOMETHINGなどの高付加価値なデニム製品を手掛け、EDWINの海外向けジャケットを生産する中核拠点としての役割も担っています。

現在の従業員数は約30名で、縫製オペレーターは一人あたり平均6~7工程を担当。一人が複数の工程を担う多能工体制により、50~100着規模を含む多品種小ロットや、工程数の多いジャケットにも柔軟に対応しています。

工場再編とともに進めた裁断工程の刷新

2024年のリニューアル以前は、生産設備が3棟に分散し、工程の状況を把握しにくいことが課題でした。設備を一つの建屋へ集約することで、工程の見える化と効率的な運営を実現。同時に、量産時代から使用してきた大型裁断機2台の更新にも着手しました。

従来機は設置面積が大きく、老朽化に加えて安全面や保守対応にも懸念がありました。新しい裁断機には、限られたスペースに設置できること、1台でも必要な生産量をカバーできる高速性と正確性、既存のCADデータを活用できることが求められました。

デニム生地の裁断に適したP-CAM® Rの選定

SHIMA SEIKIのP-CAM R

設備選定では、JIAM展(国際アパレル機器&繊維産業見本市)で実機の大きさ、裁断精度、動作速度を確認しました。さらに、先行してP-CAM® Rを導入していたグループ工場を訪問し、デニム生地での裁断工程と精度も検証しました。既存CADとの互換性、省スペース性、高速かつ正確な裁断を総合的に評価し、さらにMade in Japanの充実したアフターフォローへの期待もあり、導入を決定しました。

P-CAM® Rは各種部品の剛性アップや歪み補正などの機能により、デニムという特殊な生地の裁断にも適応します。導入初期には裁断に合わせた調整が必要でしたが、SHIMA SEIKIが継続的にフォローをおこない、現在はデニム製品の裁断を安定して担う中核設備として稼働しています。

スピードと安全性を高め、少人数での柔軟な生産を支援

裁断を担当する石川氏

P-CAM® Rの進入防止カバーにより、安全に配慮しながら高速に裁断できます。裁断担当の石川氏は、「以前の機械と比べると、スピードと安全性が向上したことが一番大きいです」と評価します。

以前は延反から裁断、ナンバリング、検査までに6~7名を配置していました。EDWIN BASEになってからは、裁断は3名で運営するようになり、日々の作業は主に1~2名で対応するようになりました。ジャケット換算で日産100~150着規模の生産を限られた人員でおこなう体制を、今ではP-CAM Rが柔軟に支えています。

P-CAM Rによるデニム生地の裁断

セルビッジデニムにも応える現場密着のサポート

セルビッジデニムの裁断パーツ

秋田ホーセ様では、生地の「耳」を意匠として生かすセルビッジデニムも数多く扱います。耳を切り落とさない特殊な裁断にはデータや機械設定の工夫が必要です。SHIMA SEIKIは現場からの相談に応じ、P-CAM® R側の設定を切り替える運用を提案。以前は外部ソフトで裁断データを編集していた作業を簡素化しました。

また、P-CAM® RはIoT機能によりネットワークを通じて稼働状況を遠隔で確認でき、エラーが発生した際には、SHIMA SEIKIが異常を把握して連絡することもあります。遠隔サポートに加え、必要に応じて迅速に訪問対応する体制が、秋田ホーセ様の安心感につながっています。

環境負荷を抑え、次世代のデニムづくりへ

デニムから生まれたサステナブルな再生繊維

EDWIN BASEでは、P-CAM® Rの導入に加え、LED照明や空調設備の刷新、建屋集約による省エネルギー化を進めています。裁断により発生するデニムの端材も分別し、再生繊維を経て建材や新たなデニム生地へ循環させる取り組みを実施。海外市場で重視される環境・安全基準にも向き合っています。

今後も多能工化と自動化をさらに進め、少人数でも高付加価値を生み出せる工場を目指します。またEDWIN BASEは、生産工場であると同時に、見学やワークショップを通じてデニムの魅力やモノづくりの価値を発信する「基地」としての役割も担っています。P-CAM® Rは、その柔軟で持続可能なモノづくりを裁断工程から支えていきます。

本事例で紹介した製品

秋田ホーセ株式会社

秋田ホーセ株式会社

設立1973年12月
所在地秋田県南秋田郡五城目町
事業内容デニム製品の縫製
URLhttps://edwin.co.jp/topics/factory_edwinbase.html

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