
2024年6月 7日 プレス
令和6年度全国発明表彰「発明協会会長賞」受賞のお知らせ
弊社はこのたび、公益社団法人発明協会による令和6年度全国発明表彰において、「デザインデータから編み上がり生地を高精度に表現するニット3Dシミュレーターの発明」により、「発明協会会長賞」および「発明実施功績賞」を受賞することが決定しました。
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1. 受賞内容について
<発明協会会長賞 受賞者>
株式会社島精機製作所 開発本部 統括マスター 寺井 公一
<発明実施功績賞 受賞者>
株式会社島精機製作所 代表取締役社長 島 三博
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2. 本発明の概要
「デザインデータから編み上がり生地を高精度に表現するニット3Dシミュレーターの発明」により、ニット製品のデザインデータを使用して、実物のニット製品と同等レベルの高精度なCG画像をシミュレーションで作成することが可能になりました。これまでニット製品の企画から販売までのフローにおいて、企画の段階でデザインの変更と実物サンプルの試編みを何度も繰り返すため、試作品は廃棄され、素材などの資源に多大な無駄が生じていました。また、商品化の決定までの期間も長く、正確な需要量の予測が困難であるため、大量生産により大量の売れ残りが発生し、焼却や埋め立てなどの処分で環境に大きな負荷をもたらしています。
これらの問題を解決する手段として、実物の試作サンプルの代わりと成り得る高精度なCG画像をシミュレーションで作成し、商品化するデザインの決定などに活用できる本発明を考案しました。
本発明により、ニットの編み地を簡単な3D物理モデルで表現し、演算を繰り返しおこなうことで、高価なコンピュータを使わなくても、凹凸のあるニットの編み地画像をシミュレーションで作成することができます。この画像を活用することで、ニット製品の企画から販売における業務の負荷と資源の無駄を削減し、SDGsの達成やカーボンニュートラルの実現に貢献しています。
【本発明によるニット3Dシミュレーターを使った新しいニット生産フロー】
【本発明による仮想編み地の3D物理モデル(左)とシミュレーション画像(右)】
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3. 表彰式
日時:2024年7月11日(木)10:10~10:55
会場:The Okura Tokyo プレステージタワー1階「平安の間」(東京都港区虎ノ門2-10-4)
全国発明表彰について
日本の科学技術の向上と産業の発展に寄与することを目的に公益社団法人発明協会により1919年に創設された、日本を代表する研究者、科学者の功績を顕彰するものです。本発明表彰は、各分野において多大な功績を挙げた発明、考案、又は意匠、あるいは、その優秀性から今後大きな功績を挙げることが期待される発明等に授与されます。また、発明実施功績賞は、発明者が所属する企業や団体の代表者に贈られます。
参考URL:https://koueki.jiii.or.jp/hyosho/zenkoku/zenkoku.html