事業等のリスク

当社は、当社グループの事業活動に関するリスクを所管するリスク管理委員会を設置し、リスク管理規程に従い、リスク管理体制の構築と運用にあたっております。
当社グループは、事業展開においてリスク要因となり、経営成績、財政状態に影響を及ぼす可能性があると考えられる主な項目を以下の通り認識しておりますがこれらのリスクは必ずしも全てのリスクを網羅したものではなく、想定していないリスクや現時点において影響度が小さいと考えられる他のリスクの影響を将来的に受ける可能性があります。
当社グループではこれらのリスクの発生可能性を認識したうえで、その発生の回避および発生時の適切な対応に努めております。なお、記載内容のうち将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

①市場環境の変動リスク
当社グループの製品の主要な販売先は国内外のアパレルやニット製品を製造するメーカーです。そのため消費者の生活様式や消費スタイルの変化、サステナビリティ対応等の環境意識の変化、暖冬などの天候不順などが生産動向に影響を与え、その結果横編機等の設備投資に影響を及ぼす可能性があります。
またサプライチェーンにおける通商問題の悪化や新型コロナウイルス感染症の拡大、従来生産拠点とされていた地域の消費地への変化など、市場環境・産業構造の急速な変化が設備投資の減退を招くなど、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
これらリスクに対し、当社グループではデザインシステムとホールガーメント横編機の活用による、消費地における需要動向に対応した適時適量生産の提案を積極的に行っております。また顧客とのコミュニケーションを密にし、ニーズを把握することにより新たな価値を提案できる仕組みの構築や「KNITify the World」をスローガンに非アパレル分野でのニット化を高める取り組みを行っています。
②事業展開地域での社会的な制度変更などの影響
アパレル産業は、経済のグローバル化の進展で、サプライチェーンマネジメントも同時にグローバル化してきました。消費国と生産国において貿易摩擦などが発生し、経済問題に発展した場合、設備投資動向にも大きく影響を及ぼします。
近年発生した米中貿易摩擦に端を発する相互関税の引き上げ、技術輸出規制などの経済措置の動向には細心の注意を払い、適切に対処していくべく努めておりますが、各国政府や国際的枠組みによる規制が新たに導入、変更された場合には、当社グループの業績および財政状態が影響を受ける可能性があります。このため、世界各国に張りめぐらした現地法人・販売代理店などのネットワークを活用して、いち早く現地動向を察知し、迅速な行動が取れるよう整備を進めております。
③為替レートの変動
当社グループは海外売上高比率が80%前後で推移しており、取引においては日本円以外に外国通貨建で行われているため、急激な為替レートの変動は当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
このため、当社グループは、連結財務諸表等 注記事項(デリバティブ取引関係)に記載の通り、売上債権のうち外貨建債権に対して先物為替予約取引などでリスクヘッジを行っております。
④与信及び売上債権の回収リスク
売上債権に占める割合の多くは、横編機事業に係る債権となっております。多くのユーザーは素材仕入れから製品販売までの期間が長期にわたることもあり、債権回収も長期にわたることが業界内での特有の商慣習になっております。そのため、当社グループでは、主要地域では直接ユーザーに対する与信管理の強化を行っております。近年、アジア市場ではグローバルアパレルとニットメーカーが両輪となり、大規模な生産活動が行われ、1社あたりの取引金額も膨らむ傾向となっております。回収リスク低減のため、債権流動化の実施、担保設定、リース取引の推進、貿易保険の付保を行うと同時に、横編機にPMS(パスワードマネジメントシステム)を搭載し、期日までの支払いを促す仕組みを構築しております。回収遅延などが発生している場合には、過去の実績率や個別の回収可能性等の見積りに基づき保守的に引当金を計上するなどの対策を行っております。
⑤知的財産保護戦略の課題
当社グループが保有する独自技術やノウハウの一部は、法令順守意識の欠如などにより知的財産権による完全な保護が不可能または限定的にしか保護されない可能性があります。ホールガーメント横編機は、高度な技術が結集された当社グループの戦略機種ですが、特許の侵害などにより模倣製品が流通した場合、当社事業に与える影響は大きくなります。このため当社グループは、知的財産部を設置し、他社による特許侵害を常に注視し、また各国の現地法人、代理店等からの情報を有効活用し、必要に応じて注意喚起や法的手続きをとる体制を整えております。
⑥人材に関するリスク
当社は創業当時から、世の中にないものを創り出し、最高機能の製品を経済的な価格で提供することを続け、業界から高く評価されてきました。これらを支えるのは高度な専門性、創造性、独自性を持つ人材であり、継続的な人材の確保、育成に努めておりますが、その技術の伝承や後継となる人材の確保・育成が計画通りに進まなかった場合、あるいは退職等により人材が流出した場合には、製品開発力や製品品質の低下をまねき、その結果事業競争力の低下により、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。このため、若手社員に対する社内研修の充実や各種技能検定へのチャレンジ推奨、ベテラン社員によるOJTの拡充など技術の伝承に積極的に取り組んでおります。
⑦製造物責任に関するリスク
当社グループでは、最高機能の製品を経済的な価格でお届けするというSHIMA SEIKIスピリットのもと、品質環境基本方針を定め、専門の委員会活動を展開し、製品品質、顧客満足度の向上に努めておりますが、製品の欠陥等が発生した場合、損害賠償や対策コスト等により、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、製造物にかかる賠償責任に備え保険に加入し、リスクの低減を図っております。
⑧情報セキュリティに関するリスク
当社グループにおいて、情報システムは重要な要素の一つです。人的ミス、機器の故障、通信事業者などの第三者の役務提供の瑕疵等により、また、外部からのサーバー攻撃、不正アクセス、コンピュータウイルス感染などにより、情報通信システムの不具合や不備が生じ、取引処理の誤りや遅延などの障害、情報流出などが生じ、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、情報セキュリティポリシーを定め、すべての役員及び従業員などに対する情報の取り扱いの行動規範を定めるほか、情報セキュリティの物理的対策及び技術的対策の取り組みについて情報セキュリティ委員会を通じて継続した啓発活動を実施しています。
⑨災害、事故、感染症の拡大などのリスク
地震、台風、津波などの自然災害、火災、停電、感染症の拡大(パンデミック)、国際紛争などが発生した場合、当社ビジネスに影響が及ぶ可能性があります。
  • 1. 販売面への影響
  • 主要販売先であるアジア(中国、ベトナムなどASEAN、バングラデシュ)、イタリアを中心とした欧州市場、トルコを中心とした中東市場で影響が拡大した場合には、通常の営業活動に支障をきたし、最悪の場合には営業活動を停止させなくてはならないため、長期化した場合には当社業績に与える影響が大きくなります。さらにユーザーの生産活動にも影響を与え、資金繰り悪化による売上債権の回収リスクにも大きく影響を与える可能性があります。「④与信及び売上債権の回収リスク」に詳細記載。

  • 2. 生産面への影響
  • 生産面ではサプライヤーの操業停止等による影響の長期化が部品不足を招き、生産抑制を余儀なくされることが想定され、多大な影響が発生します。さらに設備投資需要が高まる1月から3月(当社第4四半期)に災害などのリスクが顕在化した場合は、その影響は拡大する可能性があります。当社グループでは緊急時に向けた在庫の確保、複数社からの購買による安定した部品供給体制の構築などの対策を実施しております。
⑩生産拠点の一極集中
当社は、製品を本社がある和歌山県で集中的に生産し、開発から製造までの一貫体制を敷くことで効率化やコストダウンを図ってまいりました。このため、和歌山県近郊で大規模な地震、風水害等の自然災害や当社工場での火災等の事故、重度の感染症等が発生した場合、製造ラインの操業が長期間停止する可能性があります。汎用性のある製品は、通常、売上高の1ヶ月程度の製品在庫を保有しておりますが、保管状態に影響が出た場合や物流の停滞などそれ以上の影響が発生した場合、当社事業の売上高に直結します。当社は日産体制を構築しておりますので、停止期間が継続する場合、その影響は大きくなります。そのため、当社では、各種保険の付保や操業停止期間を最小化できるように事業継続計画の整備を行うとともに、建物等の耐震工事、非常時を想定した訓練の実施及び安否確認システムの導入等の対策を講じ、早期に復旧できるような体制を整えております。しかし被害想定を超えた規模の災害等が発生した場合、機能停止・設備の損壊・インフラの供給停止、交通機関や通信手段の停止等により、事業活動の継続に影響を及ぼす可能性があります。
⑪新型コロナウイルス感染症等の流行に関するリスク
新型コロナウイルス感染症等の世界的な拡大(パンデミック)に伴い、社内において感染症の拡大が認められた場合、一時的に工場の稼働停止など事業活動の停止により、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、社長を本部長とする危機管理本部を設置し、感染拡大防止策に取り組んでおります。不要・不急の会議・出張の禁止、工場見学の受入中止、予防措置の強化(毎日の検温・マスク着用・手指消毒の徹底等)、在宅勤務等を実施することにより従業員の安全確保を優先しつつ事業への影響を最小限に留めるよう対応を実施しております。
⑫コンプライアンスに関するリスク
当社グループでは事業活動を行うにあたり、様々な法令・規則等の適用を受けておりますが、意図せずに違反する場合も含め不正行為など重大なコンプライアンス違反を起こした場合は、当社グループの社会的な信用を失墜させ、また取引の停止や訴訟等による損害の発生など、事業活動に重大な影響を及ぼす可能性があります。これに対し、当社グループでは、コンプライアンス委員会を設けコンプライアンスの推進を図るとともに、「シマセイキグループ行動基準」を定め、その遵守に努めています。また法令違反等その他のコンプライアンスに関する通報窓口として企業倫理ヘルプラインを設けています。

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