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さまざまなマイナス要因が重なり、
主力市場で販売が減少し、
厳しい業績結果となりました。

代表取締役社長 島 三博

上半期(2020年3月期)の業績について説明してください。
事業環境が期初に想定した以上に悪化し、大幅な減収、赤字決算となりました。

上半期の業績は、大幅減収、赤字決算という非常に厳しい結果となりました。前年度から続く米中貿易摩擦の長期化などによる世界経済の先行き不透明感や、環境意識の高まりを背景に、アパレル業界の投資意欲が世界的に落ち込みました。その結果、横編機事業の主力市場である中国、バングラデシュ、ベトナムなどのアジア地域において、OEM型生産工場を中心に大量生産型のコンピュータ横編機の設備投資が低調となりました。設備投資マインドの低下は、近年中国市場を中心に順調に拡大していたホールガーメント横編機にも影響し、販売台数が減少しました。低迷する市場環境を受けて、同業他社との価格競合も厳しさを増したこと、さらに上半期の平均為替レートが、ドル・ユーロとも期初想定より円高で推移したことなどで、横編機を中心に平均販売単価も期初想定より下落しました。これらの結果、連結売上高は、171億18百万円(前年同期比39.3%減)と大幅な減少となりました。
利益面においても、売上高が大きく減少したことに加えて、販売単価の下落や工場操業度の低下で売上総利益率が悪化したことや、貸倒引当金繰入額の増加、開発試験研究費の増加などにより、営業損失は27億10百万円(前年同期は営業利益43億43百万円)となりました。また、円高の影響により、営業外費用として5億42百万円の為替差損を計上したことなどから、経常損失は28億99百万円(前年同期は経常利益46億28百万円)、親会社株主に帰属する四半期純損失は20億61百万円(前年同期は純利益33億12百万円)となりました。

事業分野別の状況について説明願います。
横編機主力市場における設備投資マインドの冷え込みから、新規受注が減少しました。

横編機事業では、主力の中国・東南アジア・バングラデシュなどの地域において、米中貿易摩擦や環境意識の高まりを背景に顧客の投資マインドが冷え込んだことで、横編機の販売が大幅に減少しました。前年度に中国市場で大きく販売台数を伸ばしたホールガーメント横編機も、中国国内経済の成長鈍化などを背景に、新規受注が低調となりました。さらに中東のトルコにおいても、金融引き締めの影響により設備投資の停滞が続いており、イタリアを中心とした欧州市場でも、経済環境に対する不透明感から顧客の投資が低迷しました。
デザインシステム関連事業では、「SDS-ONE APEX」シリーズは横編機の販売台数の減少に伴って、海外市場で売上が減少しました。一方、国内市場ではニット産業以外の市場に販売が広がり、前年並みの販売となりました。自動裁断機「P-CAM」も、売上はほぼ前年並みで、国内外ともに自動車関連などの非衣料分野へ採用が進みました。

下半期以降の取り組みと業績見通しについて説明してください。
引き続きホールガーメント横編機に対する潜在ニーズの掘り起こしに注力していきます。

世界経済の先行き不透明感が続いている厳しい現状ですが、当社としては下半期以降もこれまで同様、各国・地域のニーズに応じた提案活動を全世界で進めていく方針です。
これまでの地道な提案活動により、当社の高い優位性は、世界の多くの顧客に理解されていると認識しています。特に、これからの成長の柱と位置づけるホールガーメント横編機に関しては、各地の顧客にその可能性への理解が着実に深まっているという手応えを感じています。欧州や日本、韓国などで高付加価値のモノづくりを志向する顧客企業や、中国で続々と台頭しているSPA(製造小売アパレル)はもちろんのこと、バングラデシュやASEAN諸国、トルコ、インドなどでOEM型生産を行っている顧客企業も、無縫製生産のメリットを理解し、高い関心を持ち始めています。それらの地域でも、ホールガーメント横編機のエントリーモデルを中心に、提案活動をより強化し、ホールガーメント横編機への潜在的ニーズを地道に掘り起こしていきたいと考えています。
当期の通期連結業績予想については、売上高400億円、営業損失36億円、経常損失35億円、親会社株主に帰属する当期純損失24億円と、当初の計画を修正しました。

中長期的な事業展望について説明してください。
転換期を迎えたアパレル産業に“あるべき未来”を提案し、持続的な成長を目指します。

アパレル産業における環境への負荷低減という課題がクローズアップされ、商品の過剰生産や在庫数量を抑制する動きが顕著になってきており、業界では「いかにして持続可能な成長を実現するか」が最重要課題に浮上しています。2019年6月にスペイン・バルセロナで開催された世界最大規模の国際繊維機械見本市「ITMA 2019」においても「サステイナビリティ」が統一テーマに掲げられました。当社はこの課題をいち早く認識し、数年前から持続可能なビジネスモデルへの転換に向けた提案を積極的に展開してきました。
現在、世界的に設備投資マインドが低迷しているのは、アパレル産業全体が転換期に差し掛かっていることの現れでもあると感じています。当社のホールガーメント横編機やデザインシステムは、消費者ニーズにマッチした商品を、消費地において、必要なときに、必要な分だけ生産できます。また、それをバーゲンセールではなく正規価格で販売して、売れ残りや廃棄ロスをできる限りなくし、アパレル産業における望ましいビジネスモデルのための有力なツールであると確信しています。これからも中長期的な視点を持って提案を続けていきます。

株主の皆様へのメッセージをお願いします。
これからも社員一丸となって、他にない価値を社会に提供し続けていきます。

中間配当金については、期初の発表通り一株につき20円で実施させていただきました。
当期(2020年3月期)は、第2次中期経営計画「Ever Onward 2020」の2年目でもあります。数値目標は下方修正しましたが、質的な面では、多くの進捗がありました。今後も省人化・自動化を進め原価低減や経費削減に取り組み、収益力を強化する一方で、研究開発には積極的に投資していく方針です。他にない価値を社会に提供できる、独自性の高い製品・サービスがシマセイキの強みであり、存在意義だと考えています。これからも当社は、経営理念「Ever Onward-限りなき前進」のもと、新しい未来を創造できる、革新的な製品・サービスの開発・提供に社員一丸で取り組んでいきます。
株主の皆様には、引き続き当社への温かいご理解、ご支援をよろしくお願いいたします。

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