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コロナ禍から市場回復の兆しが
見え始めました。
業績の改善とともに、
未来への取り組みも強化します。

代表取締役社長 島 三博

上半期(2022年3月期)の業績について説明してください。
コロナ禍の影響を受けつつも、中国や欧州市場での設備投資が活発となりました。

 当期(2022年3月期)上半期の世界経済は、前期に引き続き新型コロナウイルス感染症の影響を受けたものの、中国や米国経済の回復、各国におけるワクチンの普及などにより全体として回復の兆しが見え始めました。一方で、足元ではコロナ変異株の影響によるサプライチェーンの乱れにおける生産停滞など、世界経済は依然として先行き不透明な状況が続いています。
 当社グループが製品を供給するアパレル・ファッション業界においては、地域差はあるもののアパレル消費や生産に対する意識が徐々に戻りつつあります。特にコロナ禍からいち早く脱却した中国やワクチン接種の進んだ欧州では、経済活動とともに消費も回復しています。
 このような状況の中、当社グループは6月に上海で開催された展示会「ITMA ASIA+CITME」にオンラインとリアルが融合した新たな形式で出展するなど、サステナブルなモノづくりを実現するための製品、サービスやソリューションの提案活動に注力しました。
 この結果、上半期の連結売上高は158億14百万円(前年同四半期比56.2%増)と、今年5月に発表した予想数値を約28億円上回る増収となりました。利益面についても、物流費や原材料費の高騰の影響はあったものの、増収効果と工場操業度の改善により売上総利益率が回復したことや、販売費及び一般管理費の抑制に努めたことにより、営業損失は15億58百万円(前年同四半期は営業損失41億83百万円)となりました。
 また、営業外において貸倒引当金戻入益の計上などにより、経常損失は8億44百万円(前年同四半期は経常損失31億35百万円)、親会社株主に帰属する四半期純損失は10億68百万円(前年同四半期は親会社株主に帰属する四半期純損失32億8百万円)と、いずれも前年同期に比べて大きく改善しました。

事業別の状況はいかがでしょうか?
各事業とも、前期比で売上が回復しました。

 主力事業である横編機事業の売上高は前年同期比68%増となり、中国市場、欧州市場を中心に前期から大きく伸ばすことができました。
 経済活動・消費活動が活発化してきている中国では、輸出向け商品のOEM生産から国内市場に向けた「高付加価値商品のモノづくり」への転換が着実に進み、同時に人件費の上昇と人手不足から省人化を進める動きが強まっていることから、これらのニーズを満たすホールガーメント横編機の導入が伸長しました。
 欧州市場においてもコロナ鎮静化に伴い、顧客の設備投資が活発化しました。特に高付加価値商品の開発を得意とするイタリアでは、ホールガーメント横編機やデザイン性の高い成型編機を中心に販売が増加しました。これはコロナによる海外渡航制限を背景に、インターネットでの高級衣料品の販売が拡大しているという事情もあります。
 デザインシステム関連事業も、デザインシステム「SDS-ONE APEX4」は横編機事業の売上増加に伴い、
海外市場を中心に販売台数が増加しました。また今期から本格的にスタートしたデザインソフトウェアのサブスクリプションサービス「APEXFiz」も、欧米や国内のアパレルブランドを中心にライセンス契約数を増やしました。自動裁断機「P-CAM」も国内を中心に需要が回復しました。
 手袋靴下編機事業では、国内および海外大手メーカーの設備投資が順調に伸びたことで、販売が大きく増加しました。

下半期以降の展望をお聞かせください。
不透明な要因がありますが、多様なニーズに対応した提案を強化して取り組みます。

 下半期以降もホールガーメント横編機を中核として、各国・地域の状況に応じた提案活動を全世界で展開していきます。6月の「ITMA ASIA+CITME」展で発表したホールガーメント横編機の新機種は、生産性の向上に加え、デザインの幅が格段に広がり、ホールガーメントの可能性を拡大する製品です。ユーザーからは非常に好評で、すでに各地から問い合わせをいただいています。下半期は、この製品を戦略商品として年間で最大の需要期となる第4四半期での拡販に注力していく方針です。
 デザインシステム関連事業でも、この7月に「APEXFiz」の追加ラインアップとして自動裁断機「P-CAM」に対応したアパレルCADソフトウェア「APEXFiz PGM」を発売しており、ウィズコロナの時代を見据えて多様なニーズに対応した提案を拡大していきます。
 一方で、コロナ禍を背景とした海外物流網の混乱に加え、足元では半導体の需給バランスの乱れを契機に電子部品など、さまざまな部品・原材料がひっ迫しています。これには、東南アジアでのコロナ変異株の感染拡大による工場の操業停止や、環境政策を背景とする中国での電力不足などが影響しています。そのため、当社でも安定的な生産計画が立てられず、納期が確約できないことから受注が決まらないという悩ましい状況が続いています。
 上記のような諸要因により、現状では下半期の見通しが不透明であるため、通期業績については5月に発表した数字をひとまず据え置き、売上高280億円、営業損失70億円、経常損失63億円、親会社株主に帰属する当期純損失64億円とさせていただきます。

株主の皆様へのメッセージをお願いします。
サステナブルなモノづくりのニーズを捉え、アパレル・ファッション業界の転換を力強く提案していきます。

 当社は株主の皆様への利益還元を経営の最重要課題の一つに位置付け、事業の持続的発展を通じて、安定した配当を長期にわたって継続することを基本方針としています。上半期については前期に続いての赤字計上となりましたが、安定配当の基本方針を鑑み、中間配当金は一株当たり5円で実施させていただきました。期末配当金についても、一株当たり5円で実施させていただく予定です。
 今回のコロナ・パンデミックを機に、アパレル・ファッション業界では大量生産・大量販売を基本とした旧来のビジネスモデルからの脱却、売れ残りや廃棄ロスを出さない、サステナビリティを意識したモノづくりへの転換が一層進むと考えています。実際、ビジネスモデル転換に向けた動きが世界各地で起こっています。こうした動きに応え、機器・システム単体の提案ではなく、周辺サービスやソフトウェアも融合したトータルなソリューションによってお客様の抱える課題を根本から解決し、業界の変革に貢献していくことで、当社の新たな成長局面が必ず広がっていくと私は信じています。
 国内・海外ともコロナ禍の完全な収束時期はいまだ見通せない状況ではありますが、私たちは今後も経営理念「Ever Onward-限りなき前進」のもと、全社一丸となって早期の黒字転換と新たな成長を目指してまいります。株主の皆様には、引き続き温かいご理解、ご支援をお願い申しあげます。

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