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不透明な時代に、揺るぎない
「モノづくりへの情熱」を。
革新的なソリューションと
構造改革で持続的な成長を掴む。

                                                                       代表取締役社長 島 三博 

当期(2026年3月期)の振り返り
次の成長に向けた変革の期間と位置づけ、生産構造の見直しを進めてまいりました。

 当期は、世界的に政治・経済の混迷が深まった一年でした。米国トランプ政権による関税政策の混乱や、中東情勢の緊迫化に伴うコスト上昇、さらに渡航制限や安全面への配慮など、グローバル企業として極めて厳しい逆風の中での事業経営を余儀なくされました。特に中国をはじめとする主要市場では、業界全体に設備投資への慎重な姿勢が広がり、当社を取り巻く環境も大きな影響を受けました。
 このような環境下において、当社は次の成長に向けた変革の期間と位置づけ、生産構造の見直しを進めてまいりました。従来の内作中心の体制を見直し、外部調達の拡大を進めながら、高い品質とコストダウンの両立を図る新たな製品開発にまい進しました。その過程においては、これまで社内で培ってきた“阿吽の呼吸”による品質管理を外部パートナーと共有する難しさもあり、量産体制の構築に想定以上の時間を要しました。その結果、戦略機種であるコストパフォーマンスモデル機の市場投入に遅れが生じました。
 その一方で、グローバル企業とのパートナーシップや組織改革など、将来の成長に向けた着実な進展がありました。韓国の3Dファッションシステム企業CLO(クロ)社との協業を開始し、当社が強みとするニットのレンダリングシミュレーション技術の優位性をグローバル市場で高めることができました。またイタリアの大手靴下編み機メーカーLonat(i ロナティ)社との連携により、当社のデザインシステムの認知も拡大しています。組織改革においては、当期、自動裁断機事業をカッティングソリューション事業部として本格始動したことにより、顧客ニーズを迅速に共有して反映する体制が整い始めており、今後の成長に向けた土台づくりが着実に進んでいます。
 これらの結果、連結売上高は335億9百万円(前期比3.0%増)、営業損失は17億20百万円(前期は営業損失119億14百万円)、経常利益は2億88百万円( 前期は経常損失114億81百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益は8億56百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失142億75百万円)となりました。

今後の展望について
SHIMA SEIKIにしか実現できない価値あるモノづくりを改めて世界市場へ提案してまいります。

 第66期(2027年3月期)は、これまで進めてきた改革を成果へ結びつける一年にしたいと考えています。ホールガーメント®技術をはじめ、長年培ってきた編成技術、デザインシ
ステム、そしてグローバルネットワークを融合させ、SHIMA SEIKIにしか実現できない価値あるモノづくりを改めて世界市場へ提案してまいります。
 その中核となる横編機事業においては、待望のコストパフォーマンスモデルを下半期より本格的に市場投入していく予定です。単に価格競争力を高めるだけでなく、高い品質と生産効率を実現できる SHIMA SEIKIならではの価値を提供するモデルとして展開していきます。開発過程で得られたコストダウンの知見は、今後、全機種へ波及させ、競合メーカーとの競争に打ち勝つ収益構造を目指します。デザインシステム関連事業では、AI技術を活用した新たな取り組みが始まります。現在、リリースを準備している生成AIシステムは、当社独自のノウハウを活用した次世代型プラットフォームになると期待しています。またデザインから生産までをデジタルで一気通貫につなぐ当社の仕組みは、サプライチェーンの透明性が求められる時代において、大きな競争優位性をもたらします。さらに、糸の廃棄ロスがほぼ出ないホールガーメント®技術や、デザインから生産までをつなぐ独自のモノづくりを通じて、SHIMA SEIKIのニットマシンで作ることそのものが、環境価値として認識される世界を目指し、ブランド力の向上につなげてまいります。他方、市場開拓においても、成長著しいインド市場や、高付加価値化へのニーズが高まるバングラデシュなど、リスク分散を図りながら新たな成長領域を深耕してまいります。
 これまで当社は、高い内製化比率によって成長してきましたが、現在、世界市場で求められるスピードと競争力をさらに高めるため、従来の延長線上ではない新しいモノづくりへの進化が求められています。こうした変革を全社的に加速させるため、構造改革本部を新設いたしました。外部から専門人材を迎え、各部門の壁を超えて連携し、顧客視点を軸にモノづくりと組織体制の両面から見直し、より柔軟で強靭な企業体質への転換を図ります。またその挑戦への強い意志を示すため、新たにグローバルスローガン「Passion to Create」を掲げました。デジタル化が進む今こそ、人間にしか生み出せない“情熱”を企業価値として、全世界のSHIMA SEIKIグループ社員とパートナーである代理店が一丸となって未来を切り拓いてまいります。

株主のみなさまへ
構造改革本部を中心に、全社改革を加速し、強靭な事業基盤をつくってまいります。

 株主の皆様には、日頃より格別のご支援を賜り、心より感謝申し上げます。
 世界情勢は依然として不透明であり、ファッション業界を取り巻く環境も、国や地域によって市場動向に大きな差が見られる状況が続いています。来期は構造改革本部を中心に、全社改革を加速し、強靭な事業基盤をつくってまいります。また、アパレル・ファッション業界がより持続可能で理想的なモノづくりへ進化していくための支援を続けるとともに、メディカルやモビリティなど非アパレル分野においても、着実に領域を広げながら、持続的な成長と業績向上につなげてまいります。
 株主のみなさまには、SHIMA SEIKIの変革と挑戦を長期的な視点で見守り、ご支援賜りますようお願い申し上げます。

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