トップインタビュー

 

 

需要増に応える体制を整え、
業績回復を達成するとともに
ソリューション提案で
未来への取り組みを強化してまいります。

代表取締役社長 島 三博

当期(2022年3月期)の業績について説明してください。
上半期は好調だったものの、部品の調達難などで伸び悩みました。

 当期(2022年3月期)は、世界各地でのコロナ禍の継続に加え、部品価格の高騰や物流網の寸断、原油高、急激な円安の進行など社会・経済環境の変化に翻弄された、まさに激動の1年間でした。当社グループが製品を供給するアパレル・ファッション分野では、地域差はあるものの、全体としては前年度にコロナ禍の影響で大きく落ち込んだ消費や生産のマインドが徐々に回復傾向を見せました。特に、いち早くコロナを抑え込んだ中国やワクチン接種の進んだ欧州では、経済活動の回復とともに生産への設備投資が活発化しました。需要回復を受けてホールガーメント®横編機やデザインシステムの販売が各地で増加し、第2四半期頃までは期初予想を上回る勢いで売上が伸長しました。しかしながら、第3四半期に入るとコロナ禍を背景とした物流費の高騰に加え、半導体の需給バランスの乱れを契機とした多様な部品・原材料のひっ迫が発生しました。引き合いをいただいていながら、部品調達が安定しないため生産計画が立てづらく、お客様からの要望にお応えできない状態が続きました。
 これらの結果、当期の連結売上高は309億98百万円(前期比26.6%増)と増収ではありますが、課題も残る内容となりました。利益面では、物流費や原材料費の高騰などコストアップ要因があったものの、増収効果に加えて工場操業度の改善による売上総利益率の回復、販売費及び一般管理費の抑制などにより、営業損失は42億96百万円(前期は営業損失91億43百万円)、経常損失は34億円(前期は経常損失72億73百万円)、親会社株主に
帰属する当期純損失は35億89百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失178億66百万円)となり、すべての利益項目において損失幅を大幅に改善できました。

当期の主な取り組みについて説明してください。
ホールガーメント横編機など、新機種の開発やサービス強化などを行いました。

 当期は中期経営計画「Ever Onward 2023」の初年度でもあり、「変革」と「再生」をキーワードに「ホールガーメント事業の最強化」など、4つの重点施策の推進を通して2023年度に「売上高540億円・営業利益20億円・経常利益25億円・当期純利益20億円」の目標を掲げています。
 この目標達成に向け、当期は戦略分野であるホールガーメント横編機の新機種「SEG®-XR」を開発しました。同機種は従来機種より25%以上の生産効率を向上したほか、機構の改良によって従来機種のデザイン上の制約を大きく取り払うなど、ホールガーメントの可能性を大きく広げています。デザインシステム関連事業でも、前年度に発表したサブスクリプションサービス「APEXFiz®」の追加ラインアップとして、自動裁断機「PーCAM®」に対応したアパレルCADソフトウェア「APEXFiz PGM」を7 月にリリースしました。自動裁断機「PーCAM」シリーズとの高い親和性により、裁断精度や生産効率の向上に寄与するものです。
 営業活動の面においても、WEBセミナーを1年間で約30回開催し、約90カ国から3,000名近くの方にご参加をいただきました。またリアル展示会も徐々に再開され、2021年6月に中国(上海)で開催された展示会「ITMA ASIA+CITME」にはオンラインとリアルの両面で出展しました。このほか「先端材料技術展(東京)」「大阪ミシンショー」「Pitti Filati89/90(イタリア)」など、各地のリアル展示会に参加し積極的な提案を行いました。

次期(2023年3月期)以降の展望についてお聞かせください。
ソリューションビジネスの強化など「変革」と「再生」を実現していきます。

 次期(2023年3月期)も中期経営計画「Ever Onward2023」に沿って、ホールガーメント横編機の拡販、ソリューションビジネスの拡大など、各国・地域の状況に応じて「サステナブルなもの創り」を支援する製品・サービスの提案活動を全世界で展開していきます。横編機事業におけるホールガーメント横編機の売上構成比率はすでに50%近くにまで上がっており、次期は「SWG-XR」を核に、活性化の見込まれる中国やイタリア、日本などの市場をターゲットとして拡販に注力し、構成比率をさらに引き上げていきます。また、ソリューションビジネス強化の一環として、新サービス「SHIMA Datamall(シマ・データモール)」を2022年6月中に開設する予定です。これは当社のデザインシステム「SDS®-ONEAPEX」シリーズで活用できるニット製品の編成データや、組織柄などニット柄データ、3Dバーチャルサンプルのベースとなるデータをオンラインで検索、閲覧、購入できるサービスで、糸データのWEBサービス「yarnbank®」をはじめ、当社の他のソリューションとの連係によって効率的な企画・生産・販売につなげられるよう提案していきます。
 次期の連結業績は売上高470億円、営業利益10億円、経常利益16億円、親会社株主に帰属する当期純利益12億円の増収・黒字回復を計画しています。需要は回復傾向にあるものの、当期は部品・原材料のひっ迫でお客様の要望にお応えできませんでした。しかし開発・設計、調達、生産、各段階での改革により安定生産が可能な体制に近づいており、需要に対応できる製品の生産・供給を着実に行うことで業績は回復していくと確信しています。早期に黒字転換を果たし、次の成長ステップにつなげていきます。

株主の皆様へのメッセージをお願いします。
ソリューションビジネスへの業態変換により、アパレル・ファッション業界の変革を後押ししていきます。

 当社は株主の皆様への利益還元を経営の最重要課題のひとつに位置付け、事業の持続的発展を通じて、安定した配当を長期にわたって継続することを基本方針としています。当期の配当については、前期に続き赤字計上とはなりましたが、安定配当維持の基本方針を鑑み一株当たり中間・期末配当をそれぞれ5円、合計10円で実施させていただきました。当社の最大の課題は「ソリューションビジネスへの業態変換」だと私は考えています。私たちのビジネスの本質は、機械を売ることでも、システムを売ることでもなく、お客様の課題解決(=ソリューション)にあります。今、世界のアパレル・ファッション業界は大量生産・大量販売を基本とした旧来のビジネスモデルからの脱却と、「サステナブルなもの創り」への転換を迫られています。その変革に向けた道筋を、ホールガーメント横編機やデザインシステム、周辺サービス、ソフトウェアも融合したトータルなソリューションによって示すことで、お客様の課題を根本から解決することが当社の使命であり、成長の必須条件だと私は信じています。それと同時に、2021年7月に設置したサステナビリティ推進室を中心に、当社のサステナビリティへの取り組みも着実に進めていきます。
 私たちはこれからも経営理念「Ever Onward-限りなき前進」のもと、全社一丸で早期の業績回復と新たな成長を目指していきます。株主の皆様には、引き続き温かいご理解、ご支援をお願いいたします。

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