トップインタビュー
中計最終年度として黒字転換を達成し、
サステナブルな成長を目指していきます
代表取締役社長 島 三博
- 当上半期の総括について
- 顧客の「サステナブルなものづくり」を支援する各種製品・サービス・ソリューションの提案活動を世界各地で展開しました。
当期(2024年3月期)上半期は、世界的にアパレル・ファッション業界の設備投資への意欲が回復するなか、顧客の「サステナブルなものづくり」を支援する各種製品・サービス・ソリューションの提案活動を世界各地で展開しました。
生産面でも、部品・材料の調達難が今年に入り解消に向かったことで、タイムリーな生産活動が可能になりました。
横編機事業は、主力市場の中国において、景気回復の遅れから設備投資は低調であったものの、香港系大手顧客によるホールガーメント横編機「SWG-XR」の新規投資があったことや、イタリア市場や国内市場でもホールガーメント横編機の売上高が増加しました。また、バングラデシュやベトナムにおいても、生産効率の高い成型機の販売が増加しました。デザインシステム関連事業においては、「SDS-ONE APEX」ソフトウェアのサブスクリプションサービス「APEXFiz」が欧米や国内のアパレルブランドを中心にライセンス契約数を伸ばしました。また自動裁断機「P-CAM」も国内市場を中心に販売が増加し、自動車関連や産業資材などアパレル業界以外の顧客にも販路を広げました。
これらの結果、上半期の連結売上高は前年同期比7.0%増の191億69百万円となりました。利益面でも、生産の安定化などによる売上総利益率の改善や販売費及び一般管理費の抑制により、営業利益は3億67百万円(前年同期は営業損失4億35百万円)、経常利益5億64百万円(前年同期は経常損失2億7百万円)、親会社株主に帰属する四半期純利益3億68百万円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純損失5億11百万円)と黒字計上を達成できました。
- 下半期の展望について
- 引き続き各市場の状況に応じた提案活動の強化に努めていきます。
世界経済は先行き不透明な状況が続いており、アパレル・ファッション業界の設備投資も厳しい状況が続くと予想されます。そのような環境の中でも、引き続き各市場の状況に応じた提案活動の強化に努めていきます。
今年6月にイタリア・ミラノで開催された世界最大の国際繊維機械見本市「ITMA 2023」において、当社は「Reborn(再生)」をコンセプトにホールガーメント横編機「SWG-XR」をはじめ多くの新製品を出展し、来場者から非常に高い評価を受けました。これらの提案に対し展示会後も世界各地から引き合いを頂いており、下半期は新機種の生産体制の整備やプロトタイプの量産化を早期に進めるとともに、各地のお客様への個別訪問によるきめ細かな提案活動を通じて受注の拡大に努めていきます。
11月に開催された「ITMA ASIA+CITME」( 中国・上海)は、数年ぶりのリアル開催ということもあり、主力市場である中華圏・アジア圏のお客様に対し、当社の新たなテクノロジーを提案する絶好の機会となりました。同展示会を契機に生産効率向上やビジネスの高付加価値化を実現する当社の製品・ソリューションの価値をさらに強力にアピールしていくことで、下半期の収益拡大につなげたいと考えています。
通期の連結業績予想については、2023年5月に発表した通り売上高430億円、営業利益10億円、経常利益17億円、親会社株主に帰属する当期純利益は12億円を計画しています。
- 株主の皆様へ
- 中長期的視点をもって業績のさらなる回復と資本収益性向上の取り組みに注力してまいります。
当期は中期経営計画「Ever Onward 2023」の最終年度です。「変革と再生」をスローガンに、コロナのパンデミック中にスタートさせた本中計において私が一貫して目指してきたのは、これまでのやり方を一度ゼロに戻して考えるという意識改革です。今までそうだったから今後も続けるのではなく、不要なものは止め、変えるべきものは変え、必要なものは伸ばす。それをスピード感をもっておこなう。社員一人ひとりの意識が変わることが、これからの持続的な成長の必須条件であると考えています。
既存の枠組みにとらわれない自由な発想や、スピード感のある行動を促すには、職場の「風土」を変革していく必要があります。そのため、中間リーダー層との対話機会を増やし、企業風土を変えることの重要性を訴えるとともに、社内ベンチャー制度の創設をはじめ若手が自由な発想で新しいことに挑戦できる環境の整備を進めてきました。
来期(2025年3月期)からは新たな中期経営計画がスタートしますが、同中計の策定に際しても、経営層だけでなく、若手社員との対話を通して完成させていくという今までにないプロセスで進めています。そうした取り組みを通して社員一人ひとりが当事者として夢を描き、成長する風土の醸成につなげたいと考えています。
株主価値の向上に向け、まずは黒字回復を何としても達成すべく、全社一丸となって力を尽くす所存です。その上で株主の皆様の声にも耳を傾けながら、中長期的視点をもって業績のさらなる回復と資本収益性向上の取り組みに注力してまいります。
株主の皆様には、引き続き当社グループへの温かいご理解、ご支援を賜りますようお願い申し上げます。