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創造の力×スピードで                                                              クオリティを高めて業界を変革。
革新的なソリューションで
次代のモノづくりを柔軟に支援します。

                                                                       代表取締役社長 島 三博 

当期の振り返り
世界経済は不透明感を強め、アパレル・ファッション業界では設備投資が冷え込む結果となりました。

 当期(2025年3月期)はロシア・ウクライナ情勢および中東の緊張状態の長期化、回復の期待があった中国経済の減速、米中間の貿易摩擦の再燃など、世界経済は不透明感を強め、アパレル・ファッション業界では設備投資が冷え込む結果となりました。特に高価格帯市場を中心に設備投資が延期されるケースが目立ち、2024年7月中旬以降のバングラデシュにおける大規模な反政府デモによる混乱も、サプライチェーンの停滞を招きました。  
 こうした事業環境の中、当社は中期経営計画「Ever Onward2026」に基づき、顧客の「サステナブルなモノづくり」を支援すべく、提案活動をグローバルに展開しました。
 しかしながら、当社コア・ビジネスである横編機事業において、主要マーケットである中国市場の停滞や、欧州イタリア市場の景気減速や暖冬の影響などが重くのしかかり、ホールガーメント®横編機、成型編機ともに販売台数が減少し、売上高が232億29百万円(前期比10.3%減)と落ち込みました。デザインシステム関連事業はソフトウェアのサブスクリプションサービス「APEXFiz®」が堅調だった一方、自動裁断機「P-CAM®」の販売台数減により売上高は28億17百万円(同18.7%減)になりました。手袋靴下編機事業では海外大手ユーザーの設備投資が伸長し、売上高は7億56百万円(同69.2%増)となりました。
 これらの結果、連結売上高は325億20百万円(前期比9.4%減)、営業損失は119億14百万円(前期は営業利益4億30百万円)、経常損失114億81百万円(前期は経常利益10億18百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失は142億75百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純利益10億30百万円)となりました。

来期の展望について
収益性の向上と持続的成長の実現に向けた具体的な戦略を展開します。

 厳しい結果となった当期ですが、当社はこの1年を「変革の土台を築いた年」と位置づけています。経営体制や意思決定プロセスの見直しを進め、スピード感のある組織運営への転換を図るとともに、中長期的な成長の芽となる新規事業やDX推進、人材への投資を継続してまいりました。こうしたチャレンジの積み重ねが、2026年3月期に入り芽を出しはじめていることを実感しています。
 横編機事業では来期、収益性の向上と持続的成長の実現に向けた具体的な戦略を展開します。高付加価値で多用途な製品の開発を加速させる一方、コストパフォーマンスに優れたベーシックな成型編機については、需要の高いアジア市場を中心に積極展開を図り、売上の拡大と利益率の改善を同時に追求してまいります。こうした両輪のアプローチにより、業績の立て直しを確かなものとし、中長期的な収益力の回復につなげていきます。 
 また、当社が展開するホールガーメント®横編機は、縫製などの後工程を不要とすることで、人手不足や賃金上昇といったアパレル業界の構造的な課題に対応できる点が高く評価されており、需要の再拡大が期待されています。さらに、サステナビリティ意識の高い欧州市場では、資源効率や廃棄物削減の観点から、ホールガーメント®技術の価値が高まっており、将来的な需要の広がりが期待されます。 
 デザインシステム関連事業では、「APEXFiz®」の導入が伸びています。ファッションの教育機関で採用され、学生の制作ツールとして活用が広がるなど、将来の顧客基盤づくりにもつながっています。3Dシミュレーションを通じてデザインから生産データ作成までを一気通貫で支援する当社の技術は、アパレル業界のDXをリードする存在と言っても過言ではありません。現在はAIを活用した新システムの開発にも取り組んでおり、顧客のブランドコンセプトに即したデザイン提案を可能にする次世代型プラットフォームへと進化を続けています。 
 これらの事業活動を支えるのは、何よりも“人”の力です。当社は、創造の力を具現化するのは社員一人ひとりの挑戦心であると捉え、年齢や役職に関係なく意欲を尊重する風土づくりを進めています。若手リーダーの育成、多様な人材の活躍推進を通じて、より強く、しなやかな組織へと進化してまいります。

株主の皆様へ
急速に変化する世界情勢や産業構造の中で、既成概念に捉われず、技術と発想のかけ合わせによって、次代の製造業のあり方を描いてまいります。

 株主の皆様には、日頃より格別のご支援を賜り、心より感謝申し上げます。
 当社が持続的な成長を遂げていく上で欠かせないのは、当社の根幹となる“創造の力”と、時代を先読みして行動するスピード感、そしてそれらを社会価値として結びつける“共創”の姿勢です。急速に変化する世界情勢や産業構造の中で、既成概念に捉われず、技術と発想のかけ合わせによって、次代の製造業のあり方を描いてまいります。 
 当社が歩みを進める上では、株主・投資家の皆様は、“共に未来を切り拓くパートナー”であると考えています。どのような困難に直面しようとも、常に挑戦を続け、その成果を確かな企業価値として社会へ還元していく所存です。今後とも皆様からの温かいご理解と変わらぬご支援を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

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