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WHOLEGARMENT

History of

ホールガーメント横編機の進化

SHIMA SEIKIの原点である全自動手袋編み機から初めて手袋が逆さに編み降りてきた瞬間、島正博はひらめきました。真ん中の指3本を身頃に、小指と親指を袖に、そして手首を衿に見立てると、なんと小さなセーターになるではありませんか。この気付きをもとに創業当初から構想していたのは、一着まるごと編み上げる世の中にない新たな発想でした。

30年もの年月を経て完成したホールガーメント横編機は、1995年、国際繊維機械見本市ITMAで「東洋のマジック」と称賛され、現代に至るまで進化を遂げてきました。

お客様の立場に立ってあらゆる無駄を極限まで省いたモノづくりを追求した結果、SHIMA SEIKIは四半世紀も前からサステナブルなモノづくりを実現していたのです。

スライドニードルの発明から生まれた総針でのホールガーメント編成によるクオリティ、編み地へのこだわりは、SHIMA SEIKI独自の技術として培われ、2,900件に及ぶ特許を出願してきました。

こちらのでは、歴代のホールガーメント横編機を5世代に渡ってご紹介します。世代ごとのイノベーションの変遷を辿るとともに、ホールガーメントの歴史を紐解いていきます。

1995
SWG-V

世界初、無縫製型編み機の歴史的な誕生

初代ホールガーメント横編機は、2枚ベッドの針抜き編成により実現されました。4枚ベッドを理想に掲げ、まずはラッチニードルを2本1対で配置することで、Vベッドでの実用化を可能にしました。

また、一着まるごと編み上げるホールガーメントの品質維持と安定した編成を可能にするデジタルステッチコントロールシステム「DSCS」をはじめ、ステッチプレッサー、スプリング式シンカー、ヤーンカッターなどの成型編み向けに開発された技術は、ホールガーメントが「立体成型」であるがゆえに、大きく貢献しました。

ツインニードル

ツインニードル

1999
SWG-X

4枚ベッドとスライドニードルの融合によるホールガーメントの新たな可能性

ラッチニードルを使った2枚ベッドで針抜き編成をおこなっていたSWG-Vから一新し、4枚ベッドの総針編成を実現したのがSWG-Xです。スライドニードルの発明により編成テクニックが従来の6通りから12通りになり、ニットの新たな可能性が生まれました。

総針編成によるファインゲージのホールガーメントは高品質で、綺麗な編み地は季節を問わず高級品として愛されました。さらに引き下げ装置が新たに加わったことで、より身体にフィットする立体成型が可能になりました。また、 パワーアップしたi-DSCS は、編成困難な糸やデリケートな糸を使用した高速編成も実現しました。

これらの技術とともに、弊社が提唱するデザインシステムとの連携によるモノづくりが評価され、第53回大河内記念生産特賞を受賞しました。

4枚ベッド

4枚ベッド

2008
MACH2X

超ファインゲージで高品質なホールガーメントの生産を実現

「MACH」その名が示すように、スピード感と躍動感を連想させるMACH2Xは、R2CARRIAGEシステムによりキャリッジの反転速度がアップし、生産性が向上しました。i-DSCS+DTCでは、超ファインゲージで高品質なホールガーメントが編成できるようになりました。

また、割増やし対応により袖の増やしが空コースなしで編成可能となり、ホールガーメントの編成時間を大幅に短縮できました。

さらに、ラージフックを備えた特殊なスライドニードルで針ピッチを詰めて編むことができ、より綺麗な仕上がりになりました。これが、SHIMA SEIKIのホールガーメントならではの新たな品質のスタンダードとなりました。

i-DSCS+DTC

i-DSCS+DTC

2015
MACH2XS

可動型シンカー搭載でさらなる進化を

MACH2Xの固定シンカーを一新し、スプリング式可動型シンカーを搭載したMACH2XS。より立体的な編み地を高品質な風合いで編めるようになりました。

また、2枚編出し装置では半袖が捨て編みなしで編成できるようになり、時間・コスト・原料を削減したサステナブルなモノづくりを追求しました。

コンパクトなMACH2XS103は、「畳一畳のスペース」に設置することができ、店頭での生産を可能にしました。ファクトリーブティックでのマスカスタマイゼーションやオンデマンド生産に対応しました。

スプリング式可動型シンカー

可動型シンカー

2022
SWG-XR

ホールガーメント横編機の新たなスタンダード

4枚ベッド総針編成の原点に立ち返り技術を一新。

ホールガーメントで、これまでにない多彩なデザインやシルエットが編成できるようになりました。

カム交換無しで編めるようになったパンチレースや、新シンカーシステムを活用した超立体的な柄表現など、より表現豊かな製品づくりが可能になりました。

さらに小型軽量4カムキャリッジや、自走式キャリアなどの各種機構により、編成効率と生産性が大幅に向上。進化したスプリング式可動シンカーシステムは、編地の品質向上や生産の安定性にも貢献しています。

SWG-XRは、魅力のある製品づくりを実現しつつも生産性を両立させ、無駄を極限まで抑えたサステナブルな次世代ホールガーメント横編機です。

パンチレース

パンチレース

ホールガーメントを用いた生産ソリューション、導入事例などをご紹介します。

ホールガーメントビジネス