トップインタビュー

 

 

全体業績は厳しい結果となりましたが、
戦略商品であるホールガーメント横編機の
販売は大きく伸ばすことができました。

代表取締役社長 島 三博

上半期(2019年3月期)の主な取り組みと業績について説明してください。
アジア地域での従来型コンピュータ横編機の販売が落ち込み、減収・減益となりました。

上半期の業績は、減収・減益という厳しい結果となりました。連結売上高は281億97百万円(前年同期比20.7%減)の減収となり、利益についても、営業利益43億43百万円(同46.1%減)、経常利益46億28百万円(同47.9%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益33億12百万円(同49.3%減)と、いずれも減益となりました。
売上高が期初予想(340億円)を大きく下回った最大の要因は、アジア地域を中心に「SSR」「SVR」などの従来型コンピュータ横編機の販売が落ち込んだことです。特に従来型横編機の主力マーケットであるバングラデシュにおいて、2018年末に行われる総選挙による不安定な国内政治情勢から設備投資が停滞したことが大きく影響しました。
また、近年アジア市場で急速に拡大を続けてきたシューズアッパー生産用途のコンピュータ横編機も、安価な中国製品の参入による競争環境の激化に加えて、オリンピックイヤーを目前にした、メーカーの在庫調整による設備投資の停滞などもあり、苦戦を余儀なくされました。利益面でも、売上高の減少に加えて販管費が増加したことなどで、期初予想を下回る結果となりました。

事業分野別の状況について説明してください。
中国市場での受注拡大でホールガーメント横編機は倍増となりました。

横編機事業では、前述のようにアジア地域の従来型横編機の販売が低調な結果となりましたが、中東のトルコでは設備投資が回復し、前年同期比約3倍の売上高となりました。またホールガーメント横編機についても、売上台数が前年同期比の約2倍と好調でした。特に中国市場ではSPA(アパレル製造小売業)型ニットメーカーでの販売拡大に加え、ホールガーメント衣料に対する大手アパレルの関心も高まってきており、クイックレスポンスで、かつ高付加価値の「モノづくり」へビジネスモデル転換を進めるべく、ホールガーメント横編機を導入する顧客企業が増加しています。先進国市場では、欧州でイタリアを中心に高付加価値でファッション性の高い商品づくりにホールガーメント横編機の活用が広がったほか、国内市場でも同様にホールガーメント横編機の販売が増加しました。
デザインシステム関連事業では、「SDS-ONE APEX3」が横編機の需要動向に伴い、海外市場で前年から減収となった一方、国内市場ではアパレルの製品デザインやEコマースなどニット産業以外の市場に販売が伸長し、前年同期比増となりました。自動裁断機「P-CAM」の売上高は、ほぼ前年並みとなり、国内では非衣料、自動車関連での採用が進み、海外でも自動車関連などの異業種に展開が広がりました。

下半期からの主な取り組みと業績見通しについて説明してください。
堅調なホールガーメント横編機を中心に、競合他社との差別化を鮮明にしていきます。

ホールガーメント横編機に関しては、上半期も各地域のお客様から旺盛な引き合いや受注をいただいており、その要望に対応するため、引き続き生産体制の強化を図っていきます。また下半期から中国やトルコ、バングラデシュなどの地域でホールガーメント横編機のエントリーモデルである「MACH2S」の販売を強化していきます。
従来型コンピュータ横編機については、設備投資が低迷しているバングラデシュで、総選挙終了後、政治情勢の安定化が予想されます。これは設備の需要時期にも重なっており、同国の2019年1月以降の設備投資は回復が期待されるため、営業活動に注力していきます。また受注が停滞しているシューズアッパー生産用途の横編機に関しても、他社にできないデザイン表現など高品質な技術力で巻き返しを図っていきます。
しかし、当期内に売上・利益の急速な回復は見込みにくい状況なため、通期連結業績予想については、売上高580億円(前年同期比19.3%減)、営業利益80億円(同46.3%減)、経常利益82億円(同47.2減)、親会社株主に帰属する当期純利益60億円(同46.8%減)と修正いたしました。

中長期的な事業展望について教えてください。
「トータルファッションシステム」による「もの創り」革新を提案していきます。

現在新たに注力している取り組みが、「デジタルヤーンプロジェクト」です。2018年10月に上海で開催された「ITMA ASIA+CITME 2018」で、紡績企業と共同出展し、糸(ヤーン)が持つ機能性や特性をデジタル化することにより、これまで現物サンプルを作って確認していた工程を、システム上でよりリアルなサンプル作成につなげ、完全なバーチャル化を目指します。企画から生産、最終消費者へのアプローチまで、サプライチェーンを一気通貫でデジタル化し、省人化・自動化による新たな「もの創り」の提案を展開していきます。
また、中期経営計画の重点課題の一つに「経営基盤の強化」を掲げています。ホールガーメント横編機の浸透でサポート人員の増員など、人材育成が重要課題です。今期に入り、社内における資格取得奨励制度やホールガーメント1級技術者など、技能検定制度を創設し、新たな取り組みもスタートさせています。
その他、2019年6月には、世界最大の国際繊維機械見本市「ITMA 2019」の開催がバルセロナで控えており、全世界への提案に向けて取り組んでいきます。

株主の皆様へのメッセージをお願いします。
社員一丸となってさらなる高みを目指していきます。

当期の株主の皆様への配当金につきましては、当期より配当性向25%を目安に安定配当を続けることをお伝えしていましたが、業績予想の修正に伴い、誠に遺憾ではありますが、中間配当金は、当初予定の一株につき35円から30円に、また期末配当金については、現状では未定とさせていただきたいと存じます。
2018年6月からの執行役員制度導入などによって、当社では中堅幹部社員を中心に皆で知恵を出し合い、新しいアイデアに対して迅速に具体的な取り組みを進めていける社内体制が構築されてきています。これからも私たちは経営理念「Ever Onward̶限りなき前進」のもと、社員一丸となって革新的な製品・サービスの開発・提供に取り組み、グローバルな視野を持って成長を目指していきます。
株主の皆様には、引き続き当社への温かいご理解、ご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

ページの先頭へ戻る

TOP